【番外編】WS流プランニングポーカー

はじめまして!今回執筆するのは、戦略企画室インターンの塚田です。エンジニアの方々が書く記事とは一風変わった、新鮮なテイストの記事になるかと思いますが、気楽に楽しんで頂けると嬉しいです!


さて、今回のテーマは「プランニングポーカー」です。

WESEEKでは、タスクの工数見積もりの際にプランニングポーカーを使用しています。具体的には”ポイント付け”といって、「あるストーリーにどのくらいの時間を要するのか」について、メンバーそれぞれがカードを使って同時に数字を示す作業を行っています。その値が皆で近くなるように話し合いをすることで、工数見積もりにおける意見のすれ違いを防いでいるのです。

今年度、WESEEKは社内グッズの一つとしてプランニングポーカーを作成したため、(他の社内グッズについてはこちら)この記事では、WS流の工数見積もりやカードの制作秘話についてとりあげようと思います!

WESEEKにとってのプランニングポーカー

はじめに、プランニングポーカーのメリットや使用上心がけていることなどについて、代表の武井さんとエンジニアの皆さんにインタビューしてみました。

左から貝沢さん、武井さん、大谷津さん、田村さん

ーそもそもWESEEKでは、なぜ工数見積もりにプランニングポーカーを使用しているんですか?

【武井】WESEEK的には、エンジニアが個人で動く時に「次に自分が何をやらなきゃいけないのか」をわかっていて欲しくて、そのために有効な手段としてプランニングポーカーを続けてる。

【田村】プランニングポーカー導入のきっかけになる出来事はあったんですか?

【武井】かなり昔の話だけど、少人数で意思疎通が容易だった頃は、スクラムMTGすらやっていなかったんだよね。だけどある時、業務委託の人から「デイリーのMTGをやった方がいい」って指摘されて、導入したら結構よかったんだよ。
それをきっかけに「今は見知った仲で、自分たちのやり方で連携しているけど、他の人が入ってきたらできなくなる可能性もある。世の中で使われている手法も試してみなきゃだね」となった。それでプランニングポーカーも始めてみました。

ー試行錯誤の末に続いている物なんですね。では、そんなプランニングポーカーでポイント付けをする時に、皆さんが気をつけていることはありますか?

【武井】個人的には、他の人が気づかないことを指摘するようにしている。それがプランニングポーカーをやってて楽しいところでもあるしね。「ここ見落としてるよ」ってあえて皆と違う数値を出して、「なるほど、確かに」って言わせたい。そういう発言をすることで、PJへの理解度を示したいんだけど、みんなはどうですか?

【貝沢】僕はスコープを気にして突っ込む。というのも、メンバー同士で数値が大きく違う時は、よく聞いてみるとゴールの定義がぞれぞれで違ったりするんだよね。それって個々が悪いんじゃなくて、そもそも対象となっているストーリーのゴールが不明瞭なことが原因なので。これは気にするようにしている。

【田村】気をつけていることではないけど、僕のPJは、要求されている仕様が複雑なことが多くて、いざポイント付けをすると「まだ不確定な要素があったな」と気づくことがある。この機会のおかげで、より仕様の漏れが潰されていくから良い試みだと思いますね。大谷津さんは?

【大谷津】わからない部分をはっきりさせるように気をつけていますね。結構みんな暗黙の了解で喋っちゃうけど、いざ確認したらそうでなかったってことがあるので。

ーなるほど。実際に使用する中で、印象だった出来事はありますか?

【大谷津】そもそも僕は、プランニングポーカーという文化を知らなくて、WESEEKに入社してから始めて触れたんですよ。その意味で入社当時は新鮮だったし、「こんなに開発者同士が近くで、一つのゴールに対して同じものを見るのは、非常に珍しい文化だな」と言う感想を抱きましたね。

ー そうなんですね。てっきり、IT企業だとどの会社でも取り入れているのかと思っていました。

【大谷津】他社だと、機能やPJごとに分業になっていたりするので、人数が少なくて口頭でもすり合わせが済むこともあるんですよ。だから、こんな風にゲームみたいに、一つの場所に集まってワイワイやることはないかも。

【武井】僕からは、”無限カード”について話したい。今回のオリジナルカードでは作らなかったけど、最初に買った既製品には”無限カード”と”?ポイントカード”があったんだよね。これらは「見積もりができない」意思表示のカードなんだけど、僕は逃げだと思う。
例えば、仕様が全然決まっていなくて「これ決められないでしょ、わかりません」って自信持って出すならいいけど、みんな考えてるのに、「自分にはスキルがないから見積もりできません」はなしだろう、って怒るようにしてる。
「最初?ポイントカードを出して、次にみんなが出しそうな数字を出していたら、周りが勝手に見積もりしてくれました」だと、君は本当に戦力になってるのかと思うから。そこをちゃんと考えさせるために、無限カードと?ポイントカードはなるべく使わないようにしようと指示している。
その分、皆がしっかりカードを出すことで、フラットかつフェアに意見を言える場という側面もあるよね。

【大谷津】普段は上司に遠慮しちゃう人もいますしね。でもポイント付けでは「お前が言っていることはわからない」って普通に先輩に言える。メンバーが皆対等に、ストーリーを俯瞰できるいい機会だと思います。

ーそれでは最後に、企画室としてお聞きしたいのですが…。今回企画室がオリジナルのカードを作成しましたが、オンラインのカードよりも、手元にあった方がいいものですか?

【貝沢】オンラインだとポーカー感はないよね、カードじゃないから。

【武井】そうだね。あとは、対面だと、メンバーにカードを出してもらった時に、表情もセットで見れる。自信持って出しているのか、おずおずと周りを伺っているかわかるのが違いかな。

【大谷津】開発メンバーの表情が分かるのは非常に良いですね。ただでさえ無機質になりやすいので。

ーなるほど。コロナ禍で難しいところもありますが、ぜひ対面で使用していただきたいですね。

エンジニアの方々に直接お話を聞いて、プランニングポーカーは、「個人の自立を促すと同時に、チームワークを円滑にする働きもある」と知りました。プランニングポーカーがどのように仕事に活きるのか、エンジニアでない私でもイメージが深まってよかったです!

制作秘話

次に、WESEEKオリジナルのプランニングポーカーについてお伝えします。プランニングポーカーをはじめ、社内グッズは企画室の主導で作成しましたが、コスモレナ社の皆さんにたくさんお力添えをいただきました。コスモレナ社さんは、「デザインを主軸に据えるクリエイティブカンパニー」で、普段の業務でもたくさんサポートして頂いています。
(コスモレナ社のHPはこちら)

ということで商品開発の中心となった戦略企画室の太田さんと、コスモレナ社デザイナーの形部さん・押木さんの三人に、カードの制作背景についてお話を伺ってみました。

(左から)太田さん、押木さん、形部さん


ーはじめに、プランニングポーカー作成に至った理由を教えていただけませんか?

【太田】元々はエコバッグやパーカーみたいな、一般的なノベルティを候補に出してました。ただ会議の際に、エンジニアらしいグッズとして、プランニングポーカーが話題に上がって。会社のロゴを入れたら使用の度にアピールになるし、卒業したインターン生にプレゼントもできるよねということで決定しました。

ーそんな意図があったんですね!現物を見ましたが、シンプルかつWESEEKらしい素敵な商品でした。どのようにあのデザインに決定したんですか?

【押木】当初はデザイン案を私たちと、エンジニアのかおりさんの三人で考えていたんですよね。彼女は元々デザインに興味があったみたいで、我々に組み込まれる形で参加していました。
かおりさんのデザインはハリネズミのイラスト風なやつで、形部さんは王道なもの。私はドット絵を使ってWSロゴを数字にしようと考えていました。結構いろんな方向性からのアプローチができて、面白かったです。

押木さん案


形部さん案

【太田】企画室としては、数字の見やすさを重視して、形部さんの案を採用しようという結論になりました。押木さんの案もすごく面白いんですが、数字がパッと読み取りづらいなと感じましたね。デザイナーチーム的には、この結果で納得いきましたか?

【押木】どちらの案もクオリティには自信があったので、あとはお好みで選んでいただければと思っていました。実用性かデザイン性を取るかで、前者を選んだのだなと。

【形部】自分は顧客満足度を意識して作ったので、実用性が高いものになったのかな。どれだけの物が求められているかわからなかったし、奇をてらうことはせず使いやすいデザインに仕上げました。

ーその点で言うと、デザイナーはもっと凝ったグッズを作りたかったけど、企画室から「そんなに工数をかけないで欲しい」と言う要望があったという話を聞いたんですが…

【形部】デザイナーからすると、「工数を抑えて簡単なもので良いよ」という注文は苦手なんですよね。「好きなだけこだわって最高のものを作ってくれ」と言われた方が嬉しいし、そっちで解釈しがち。
だけど企画室としては、グッズ開発にリソースを割きすぎて本業に支障をきたしたくないので、「最低限の工数で良いものを」という費用対効果を重視していたんだと思います。そこのズレですかね。

【太田】そうですね。それに、企画室とコスモレナが初めて関わったのがこの企画だったので、今思うと連携不足だったなと。こんなに気軽にインタビューに呼べる相手だと思ってなかったし、当初の想像以上にデザイナーの皆さんが色々考えてくださって…。もちろんそのおかげで、デザイナーの方々にしか思いつかない案がたくさんできましたし、素敵なグッズができて有難かったです。

ーちなみに、今後WESEEKグッズを作るとしたら何か作りたいものはありますか?

【押木】WESEEK全体ではなくGROWIのグッズを作ってみたいです。今あるのは木工ロゴとステッカーですよね。GROWIくんで何かできないかな。

【形部】僕が個人的にやりたいのは、ハードウェアよりPCの中で完結するものかな。例えば、モーショングラフィックを使ったWESEEKロゴのオープニングムービーや、GROWIサービスの説明とか。

【太田】企画室でYouTubeを再興させる施策を考えているので、YouTubeのOPとかあったらいいですね。

ーお話を聞いていて、WESEEKメンバーの太田さんはもちろん、デザイナーの皆さんが本当に熱心で有難いですし、何より一緒にお仕事ができて嬉しいなと感じました。プランニングポーカーは初めてのグッズ作成で苦労も多かったと思いますが、それを活かしてさらに素敵なグッズを社内・社外に提供していきたいです。

企画室でプランニングポーカーやってみた!

さて、ここまでプランニングポーカーについて書いてきましたが、実際にやってみないとわからない!ということで、企画室内でもプランニングポーカーによる工数見積もりを体験してみることにしました。

今回のお題は「企画室が計画しているInstagramの投稿」について。
Twitterでの1投稿を「2」とした時に、Instagramの1投稿はどれぐらいの数字になるだろうか?とカードを出し合いました。

1回目の結果は 5・5・13 !
何と初回から大きな差がついてしまったのです。

3人から出されたカードは…?

3人から出されたカードは…?

13を出したインターン生の安川さんは、Instagramの企画案をまさに練っている最中。
話を聞いてみると、自分がこの施策を進めていくことや、やってみたことがない事への不安を含めての「13」という結果だとわかりました。

不安は一旦置いておいて、純粋に投稿に対する時間・コストとして出し合おう!と2回目を行ったところ、5・5・8に。
お互いにこの数字を出した理由を話あうと、例え同じ「5」でも考えている事は違うんだなーという発見がありました。みんなで納得した上で、5と8という隣り合う数値に収束したので、今回は「8ポイント」の採用です!

1回目に13が出た時にはびっくりだったのですが、その分不安を感じていることもわかりましたし、お互いに心配していることを話し合うよい機会になったと思います。

思ったよりも簡単に、しかもお互いの考えを共有できたので、今後は企画室でもプランニングポーカーが活躍する時も増えてくるかも?

非エンジニアの私が感じたこと

私は、今回の記事を書くまでプランニングポーカーを社内グッズという視点でしか捉えていませんでした。でも「どのような目的で使われているのか」「会社にどんなメリットを与えるのか」という、日頃から取り組んでいるエンジニアの皆さんの姿勢を知って、仕事上の重要な道具という認識に変わりました。
製作秘話も、今グッズを作っている立場としてとても参考になりました。ただ作るのではなくて、細部までこだわることで皆の心に残って欲しいと思います。
インタビューにご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!

おまけ

最後に、私が携わっている商品についても紹介させてください!
プランニングポーカーはあくまで社内向けのグッズですが、WESEEKでは社外にも商品を販売しています。今販売しているのは、パーカーとマグカップ。どちらもエンジニアの方にしかわからないこだわりが詰まった、素敵なデザインです。こちらの記事にて詳しい商品紹介をしていますので、ぜひご覧くださいね。
そして、興味のある方はこちらの販売サイトからご購入お願いします!

積読パーカー


Mom's Spaghetti Code Mug