【代表が語る】WESEEKヒストリー②ー有限会社WESEEK起業ー

こんにちは。WESEEK代表の武井です。

前回のエントリー、「【代表が語る】WESEEKヒストリー① ー起業熱にやられてから沈没までー」からもう1ヶ月ですね。
今回は起業時点の仲間集め、オフィスや資金のことを書いていきます。

社名決定会議資料のうち、何枚か書いたうちの決定稿

起業までのよもやま話

「とにかく仕事をしたい」
「自分の技術でビジネスをしたい」

起業1発目の会社と物別れに終わり、そんな思いが暴走したのが大学2年生の4月。
自分でやってしまえ!というのはもう勢いで決めていたものの、次の悩みは場所をどうするかよりも「誰とやろうかなあ」だった。前回の失敗からやっぱ一緒にやるなら気が合うかどうか、尊敬できるかどうかって重要だよなと思ったので、大学の同級生で誰に声をかけるかをぼんやり考えて、その時あてにできそうなのは2人くらいいたのは覚えてる。一人で始めようというのは全く頭になかったので、なんとなく「会社をつくる」=「組織(複数人)をつくる」だとみなしていたんだと思う。

基礎は「No.2をどうやって見つけるか」である

思い出話を離れて結構真面目な話。

2021年時点でWESEEKは創業16年を数えている。成功しているかどうかはさておき、会社が生き残る確率は10年で6%、20年で0.3%なので、そこそこ稀な部類には入るだろう。

どうやって長く企業を存続できたのか?
そう聞かれたときは迷いなく「No.2と言える人材をどうやって見つけるか」だと答えている。

持論

どんな会社でもスケールするには代表一人ではやっていけない。仲間が必要だけれど、ピラミッド構造で頂点が一人では限界が早いと思っている。理由は挙げればキリがないが一部を挙げると、

  • 代表の壁打ち役、特にイエスマンではない跳ね返し役がいた方が代表が強くなる
  • 組織の文化醸成のために、代表の考えをピラミッドの下方に向けて伝播していく際、代表が一人で喚くより対等なNo.2との議論をメンバーに見せたほうが説得力がある
  • 父親役と母親役を、問題の種別に応じて交代して対応できる
  • etc...

これらをやるには、全く気質が同じ人間じゃない方がよく、程よく考え方が違って、でも気が合う、上下関係が強すぎない相手…そんな人物が求められるんじゃないかなと思う。

WESEEKのケース

現在のWESEEKのNo.2は二代目だが、出自は早稲田大学の同じ学部学科の友人で、ジョインしたのも創業間もない謂わば生え抜き。大学の繋がりでそういった人材を獲得できたというのは僕にとっては非常に僥倖で、学位は手にしていないけれど十分に入学の元は取れたと思っている。(学費払ってくれたお父さんお母さんありがとう)

そして初代No.2もまた、同じ大学の学部学科での"S氏"であった。

あいつが Yes と言ったら起業しよう

大学の同級生のS氏とは当時Linuxディストリビューションの話だったりJavaの課題の話だったり、主に技術的ないろんな話をしてた。高校までそういった話をできる友人がいなかった僕はそれがとても楽しかったし、実験でも席が近くて自分に負けず劣らず要領良い彼をなんとなく認めていたところがあった。

当時起業するにあたってはオフィスという場所をどうするかとか、職能的にプログラマーの他にデザイナーがいた方がいいんじゃないかとか、そもそも何を事業の柱にするんだとかいろいろ考えないといけないことはあったと思うんだけど、でもその辺はなぜか後回しにして、とりあえずあいつに話を持ちかけて Yes と返ってきたらもうそれで材料が揃ったと見ていいのではないか、という考えに至っていた(この辺は何から揃えるかって性格出そうだよね)。

今から思えば「何をやるか」なんて Adobe の Flex という技術を使って珍しいソフトを作るんだくらいのことしか思いついてなかったんだけど、大学のカフェテリアに呼び出していきなり話をぶつけたその場で Yes をもらえたのは嬉しかった。

パートナーとしてのS氏

実はS氏は2010年に大学院卒と同時にWESEEKを離れ、NTTコミュニケーションズに新卒入社している。WESEEK在籍時はCTO的な動き方もやりながら、僕からの印象で言えば「技術的・運用的正しさとは何か」を第一に仕事の規範や設計を定めていたと思う。対して自分はビジネスに於ける現実性は何かを主に見ていたので、そういう補完関係にあったかもしれない。

しかし縁というのは面白いもので、今ではWESEEK社内にはいないものの、取引先として一緒のチームで仕事をしている。商流やプロジェクトオーナーというマクロ視点で見れば、今No.1とNo.2が逆転して動いているとも言える。彼はWESEEKという小さな会社にいるよりも、大きな会社で裁量を得られるポジションで辣腕を振るうことができる気がする。彼がやりたいことを補佐・実現するNo.2に、僕とWESEEKはなれているだろうか。

パートナー論は、タイプ別パートナー診断とか、戦略企画室に於けるパートナー論とか、自分の中で書きたいトピックがいくつかあるので、今後のエントリーで触れようと思う。

創業メンバー4人が決まる

S氏獲得が決まったあと、身辺で誘えそうなデザイナーの人を誘い、3人に。
そのまた友人を誘ってライターとしてジョインしてくれて、創業メンバーは4人となった。

オフィス

どういう思考でそうしたのかは忘れたけれど、最初は自宅をオフィスにするでもなく、大学に頼るでもなく、無理してでも自分で借りることを決めた。これは「皆が集まる場所が必要だ」とこの時からなんとなく感じていたオフィスに対する価値感で、コロナ禍である2021年現在、数々の企業がオフィスを手放し減床させている様子を見ても尚同じ感覚を持っている。オフィス論もいずれ書きたい。

因みに初めてのオフィスは、早稲田鶴巻町の住宅街にあるマンションの一室だった。

起業資金

さてじゃあ元手はどうするの、という話で。

武井家の流儀

ここはまた両親のおかげなところが大きいのだが、武井家では姉と僕が産まれてからの出産祝いや入学・進学祝いなど、親戚から送ってもらったお金は全て子供名義で貯金しており、祖父母やおじ、おばからもらったお年玉も全て使うことは許されておらずその8~9割は毎年「将来のなにか貯金」に徴収されていた。(おかげで友達との「お年玉何に使う?」議論にはあまり入れなかった)

大学入学前後くらいで「何に使うかは自分で決めなさい」とは言われていたが、その額約300万円…生活費・学費・その他諸々とは別に子供のためにそれだけ貯めておくんだから恐れ入る。

使途

その使途をどうするか、これといった選択肢は思いついてなかった。別に車には興味ないし、かといってゲームや楽器を買うにはでかすぎる。では起業資金ではどうかと。かわいがってくれた親戚と両親にもらったお金を起業の元手にするというのは自分としてしっくりくる選択だった。

それもあって、友人達で持ち寄るというのは提案もしなかった。失敗した時の金銭的な責任は全部自分で負う覚悟を先にした方が、トラブルを未然に防ぎ、やりたいこと(事業と言うよりは各自が技術を楽しむこと)に注力できるはずだ。

「なにも決まってないんだけど」と前置きしつつ、電話口で「メンバーは4人で」「オフィスも借りる予定で」とやけに具体的な話をする息子に、母は「もういろいろ決めてるんじゃないの」と半ば呆れながらも良い使途に思うと喜んでくれたのには内心ほっとした。

社名決定会議

いよいよ起業!の前に、商号を決める必要がある。みなさん社名ってどれくらいこだわるんでしょうね…

WESEEKの場合は、まったく白紙の状態で4人集まって、大久保キャンパス付近のサイゼリアで7時間くらいだべりながら社名を決めた。

社名決定会議資料のうち、何枚か書いたうちの決定稿

起業メンバーに早稲田と稲穂と自転車という牧歌的風景が好きすぎる子がいたので、危うく社名は「有限会社わさぱん」になりかけた。トイレに行く途中でS氏に多数派工作をもちかけたのは覚えている。

意味づけ

頭のWは早稲田発で、「我々はいつも探し続ける」というメッセージを込めている。何を探しているか?それは、好きな技術かもしれないし、お仕事かもしれないし、人かもしれない。それは何でも良くて、WESEEKに関わる人みんながそれを見つけたり見つからなかったり一緒に探したりしながら win-win になれたらいいなと。そんな思いで命名した会社です。

次回、WESEEKヒストリー

全4回くらいに収めようと思ってたのに、持論とかつらつら書いてたら全然ヒストリー進まないじゃないか。。

次回は創業してからリーマンショックあたりまでの仕事の話と、その間にあったトピックをタイトルだけ列挙しつつちょっとテンポを上げて時間軸の整理をしようと思う。

今月のありがとうセルフィー

今月はWESEEK高田馬場オフィスの防火隊隊長に名乗りをあげてくれた熊坂さん!

熊坂さんとセルフィ―

ビルから防火管理者設定の要請があり、社員に「誰がやる?」と諮りつつ(こんなん誰もやらんやろ…)と思っていたところに元気よく「やります!」と宣言してくれて、あの時は社員全員が女神の降臨を見たと思います。以前にもオフィスの非常食・災害対策設備購入の提案をしてくれたり、ことあるごとに Slack にハザードマップを貼り付けたりとかなりの防災マニア。デジタル世界に浸かりっぱなしでリアル世界の危機に疎くなっている我々に正しい知識と恐怖心を植え付けてくれる、WESEEKのAlertManager、いやPrometheusか?。今月もありがとう。これからも頼りにしてる。

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