エンジニアに新視点!?マーケティング実践勉強会を開催!【コンペ編】

あけましておめでとうございます!戦略企画室の田中です。

実は私、2002年生まれの午年でして、2026年はちょうど「年男」にあたります 🐴 。 いよいよ社会人デビューの年。馬が駆け抜けるように、勢いよく成長していける一年にしていきたいです!

本年も、このブログを通してWESEEKにまつわるさまざまな情報をお届けできるよう全力で走りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

快晴の空の下での初詣の写真

快晴の中5円玉を握り締め初詣に。担げるゲンは担げるだけ担ぐ派です。

さて、このブログはエンジニアがマーケティングを学ぶ勉強会シリーズの第3弾です。前回の「エンジニアに新視点!?マーケティング勉強会を開催!【武器集め編】」では3日間かけて「ペルソナ作成」「競合分析」「コンテンツ戦略」といったマーケティングの基礎を武器として獲得していく様子をお届けしました。

この勉強会のテーマは、「マーケティングの視点を持ったエンジニア=シン・エンジニア」を目指すというものです。技術だけでなく、顧客視点やマーケティング思考を持つことで、より価値の高いサービスを生み出せるエンジニアを目指す取り組みです。

今回の「コンペ編」では、3チームがマーケティングの知識を武器に、実践的な戦略を競い合います。エンジニアの皆さんが、どのように顧客視点を取り入れ、説得力のある提案を組み立てていったのか。準備から当日のプレゼンまで、その過程を詳しくレポートします!

いよいよコンペに向けて

「武器集め」の3日間を終え、いよいよ実践編となるマーケティング戦略コンペに向けた戦略立てが本格的に始まりました。

ここからは、「エンジニア・デザイナーがマーケティングの視点を使って、顧客の課題を見つけ、説得力のある戦略を立てられるようになったのか」という視点で、コンペの様子を一緒に見ていきましょう。

コンペでも、参加者を3つのチームに分けて取り組みました。
チーム分けは武器集め編と同じく、普段の業務でよく携わっているサービスごとです。

武器集め編ではそれぞれのチームが自分たちのサービスを題材にマーケティングを学びましたが、今回のコンペでは全チーム共通のテーマで戦略を競い合います。

各チームは、これまで集めてきたマーケティングの武器(ペルソナ分析、競合分析、カスタマージャーニーなど)を適切に活用できるのでしょうか!?

コンペのテーマ:AIコードレビューツール

今回のコンペでは、「もし自社でAIコードレビューツールを開発するとしたら、どんなマーケティング戦略を立てるか」 というテーマで戦略を立案することにしました。

AIコードレビューツールは、AIがプログラムのコードを自動チェックし、バグや改善点を指摘してくれるツールです。近年、CodeRabbitやAmazon CodeGuruといった製品が次々と登場している注目の分野です。

今回のコンペの特徴は、ゼロから自由に製品を考えるのではなく、「AIコードレビューツール」という具体的な製品カテゴリと、ある程度の基軸機能を前提に戦略を立てる点です。

この制約があることで、純粋な「マーケティングの視点」、つまり、同じような機能を持つ競合製品の中でどう差別化し、顧客に選ばれるかを考える力がより重要になります。

コンペのテーマは武井さんに選んでいただきました!どうして「AIコードレビューツール」をテーマにされたんですか?

理由は大きく2つあるよ。1つ目は、参加者全員がエンジニアなので身近に感じられること。 2つ目は今まさに多くの製品が登場している競争の激しい領域だから、差別化の難しさを体験できると考えたんだ。

なるほど!自分たちが使いたいと思えるツールを考えることで、よりリアルな戦略が生まれてきそうですね。

コンペの評価基準

今回のコンペでは、単に「面白いアイデア」を出すだけでなく、実践的で説得力のあるマーケティング戦略を評価します。特に「顧客目線に立って提案できているか」を最重要ポイントとして設定しました。これこそがマーケティングの本質だと考えたからです。

以下の評価基準を設け、武井さんによる評価(100点満点)と参加者同士の相互評価(50点満点)で審査することにしました。

武井さんの評価(100点)

  1. 顧客理解度(30点):ペルソナが具体的で、抱えている課題を的確に捉えているか
  2. 戦略の一貫性(30点):ペルソナの課題から施策まで、論理的な繋がりがあるか
  3. 市場適合度(20点):競合製品との明確な差別化ができ、顧客ニーズに応えているか
  4. 実現可能性(20点):限られた予算・時間で実行できる現実的な計画か

相互評価(50点)

  1. 共感(20点):提案が自分の課題を理解しているか
  2. 価値への魅力(20点):競合より選びたいと思えるか
  3. 説得力(10点):同僚に薦めたいと思えるか

コンペに向けた準備

Day3が終わった後、各チームには約10日間のコンペ準備の期間が与えられました。通常業務を抱えながらの戦略立案。決して簡単なことではなかったはずです。

Day4では中間準備日として、戦略の骨子づくりに取り組みました。この日は、競合マップ作成後の4P分析(製品・価格・流通・プロモーション)の役割を全体で復習し、各チームに分かれて作業しました

各チームは、これまで集めてきたマーケティングの武器をどう組み合わせて使おうか、頭を悩ませていました。「ペルソナの課題に対して、どの施策が一番響くだろう?」「競合との差別化はどこで打ち出すべき?」会議室やSlackのやり取りからは、真剣に戦略を練る様子が伝わってきました。

準備期間中、各チームのSlackチャンネルはかなり活発でしたね。業務後に集まって議論しているチームもありました。

はい!正直、ここまで本気で取り組んでくださるとは思っていませんでした。特に印象的だったのは、AIツールをうまく使いこなしながらも、それを鵜呑みにせず、ご自身の経験と掛け合わせて戦略を考えていた様子です。

チームで戦略を練る様子

コンペ当日!

コンペ本番の日がやってきました。会議室は今までの勉強会とは違う緊張感が漂っています。発表順はルーレットで決定し、各チーム10分の持ち時間でプレゼンテーションを行いました。

Cチーム:「あなたの社内ドキュメントを読むAIレビュアー」

Cチームの発表資料

最初に発表したのはCチーム(ラビィとふしぎな惑星チーム)です。

彼らが設定したペルソナは中堅SaaS企業(従業員200名)のテックリードを務める田中太郎さん(40歳)。15名のエンジニアチームを統括し、コードレビュー、技術標準策定、新人教育の責任者という立場です。

注目ポイントは、ペルソナの課題の深掘り方 です。

Cチームは「コードレビューが大変」という表面的な課題ではなく、「せっかく社内ドキュメントを用意しても読まれず、結局毎回口頭でレビューの説明している」「レビュアーによって指摘内容がバラバラになってしまう」という、より具体的で切実な悩みに着目していました。

これは、勉強会で学んだ「ペルソナ分析」の武器をしっかり実践できたからこそのアプローチです。そして、この課題に対し「競合分析」の武器を使って「独自の強みを見つける」という視点でユニークなコンセプトを生み出しました。

Cチームが提案したのは社内ドキュメントと連携するAIレビューツールです。Confluence、Notionなどの社内知識ベースと連携し、「APIガイド3.2違反です[該当ページのリンク]」のように根拠付きで自動指摘します。

「ペルソナ分析」と「競合分析」を徹底することで「チームの知識を活かすAI」というコンセプトを生み出し、それは他のAIレビューツールとの明確な差別化ポイントになりました。

Cチームのプレゼンは、「チームの知識資産をツールに活かす」という視点が斬新だったね。単なるAIツールではなく、チームの成長をサポートするツールという位置づけが面白かった。

はい!活用する組織に完全にカスタマイズされたシニアレビュアーのような存在にする、というコンセプトが印象的でした。

このチームは「チーム内の一貫性確保」という課題に焦点を当て、他のAIコードレビューツールとの明確な差別化を図りました。

Bチーム:「確実に導入できる価格帯でのAIレビューツール提供」

Bチームの発表資料

2番目はBチーム(GROWI.cloudチーム)です。

彼らが設定したペルソナは、50名規模のSaaS企業でテックリードを務める山田美咲さん(35歳)。5-8名のチームを統括し、コードレビュー、技術標準策定、新人教育を担当しています。

Bチームの戦略で特筆すべきは、「導入のハードル」という顧客視点の徹底です。

単に製品の機能を充実させるのではなく、「レビュー品質のばらつきを改善したいが、高額なAIツールの予算承認が降りない。導入しても使いこなせなかったらどうしよう。」という、中小企業チームが抱える不安に着目しました。

この課題に対し、Bチームは「失敗リスクの最小化」に焦点を当てました。特に印象的だったのは、カスタマージャーニーを活用して社内承認を得やすい設計にしていた点です。「共感を呼ぶ技術ブログ」「決裁の下りやすい価格設定」「機能の簡素化による導入しやすさ」という3つの施策を組み合わせることで、導入のハードルを下げる戦略を提案しました。

Bチームはカスタマージャーニーも活用して社内の承認を得やすい設計にしていましたね

そうなんです!価格設定の理由とか、「なぜその市場に機会があるのか」が数字で説明されていて、すごく説得力がありました。

高価格化、高機能化が進むAI市場において、まさに逆転の発想といえる提案でした。

Aチーム:「高品質包括レビュー + AI選択 × 使用量課金の二重最適化」

Aチームの発表の様子

最後に発表したのはAチーム(自治体支援チーム)です。

彼らが設定したペルソナは、B2B SaaS企業のテックリードを務める田中健太さん(38歳)。開発経験13年で、10名のチームを統括しています。

Aチームの強みは、開発現場のリアルな課題に対する解像度の高さ差別化のユニークさです。

彼らが着目したのは、「AIレビューツールは便利だが、月額固定課金だと新人とベテランで開発量にバラつきがあるし、 フィードバック期間は開発量が少ないからもったいない」、「 AIツールには利用制限があって、連続で使いたい時に使えないことがある。それじゃあ困るし、正しく効果を測定できない」というジレンマでした。

この課題に対し、Aチームが提案したのは「AI選択の自由」というコンセプトです。タスク別にAIを使い分けることで、コストと品質のバランスを顧客自身で最適化できるという提案でした。現場の開発者が抱える悩みを「製品設計」と「価格設計」の両面から解決していました。

競合分析によって他社にない独自の価値を見つけ、それをペルソナの課題解決に直結させるという、マーケティングの基本が丁寧に実践されていました。

Aチームのプレゼンは、実際の開発現場からの視点が鋭くて印象的だったね。。

はい!実際に現場で開発されている方だからこそ分かる課題に着目していて、「そういう視点があるんだ」と勉強になりました。

基本機能をしっかり押さえつつ、「自分の使いやすいAIを選べる」という明確な特徴を打ち出していて、実際の開発経験に基づいた説得力のある提案として武井さんからも高く評価されていました。

審査結果

全チームの発表後、武井さんの審査と参加者同士の相互評価が行われました。少し休憩を挟んで、結果発表の時間です!

採点がとても難しかった。どのチームも素晴らしいプレゼンで、甲乙つけがたかったよ。

確かに、私もどのチームが優勝してもおかしくないと思いました!相互評価でも得点がかなり僅差でした。

優勝は...!

接戦の末、「AI選択の自由」というコンセプトのコードレビューを提案した自治体支援チームが優勝を勝ち取りました!

賞状授与の様子。takayukiさん(左)と武井さん(右)

Aチームはコンペ準備に向けた動き出しが一番速かったです!特に一貫性のあるプレゼンで、ペルソナが感じるであろう心情を徹底的に考え抜かれた施策になっていました。

武井さんからの講評もいただきました

評価ポイントや勉強会全体の講評をいただきました

武井さんの講評の中で、個人的に「ペルソナの現在の課題だけじゃなくて、近い未来の課題まで見れるともっと解像度が上がったかも」という言葉が特に印象的でした!変化の激しいIT業界だからこその視点で目から鱗でした!

参加者の声をご紹介

コンペ終了後のアンケートやその場での感想から、参加者の皆さんからは様々な気づきや学びが共有されました。

コンペ終了後のアンケートからは、参加者の皆さんの率直な気づきが共有されました。特に印象的だったのは、あるエンジニアの方のこんな言葉です:

「今まではマーケティングっぽいことをやろうとしても、なんかしっくりこなかった。でも今回、基礎を学んでからワークをやったら、ちゃんと説得力のあるものが作れた。AIに任せるだけじゃダメで、自分が何をしたいのか、どんな分析が必要なのかを理解していないと、AIも上手く使えない。基礎を学ぶって本当に大事だなと痛感した」

これを聞いて、「AIに任せれば何でもできる」わけではないんだなと改めて思いました。自分が「何をしたいのか」「どんな分析が必要なのか」を理解していないと、AIも上手く使えない。「ながらマーケティング」も、やっぱり基礎があってこそなんですね。

でも逆に言えば、基礎さえ押さえれば、AIの力を借りて誰でもマーケティングができる可能性があるということですよね!

勉強会で終わらない「シン・エンジニア」

コンペを終えて「これでおしまい!」ではありません。勉強会での学びを日常業務に活かし続ける仕組みも考えました。

それが、期間限定の特別な社内通貨「アハWSD」です。

アハWSD送付の様子

WESEEKでは日頃から、感謝や評価を「通貨」という形で社員同士が送り合える社内通貨システム「WSD(WESEEK DOLLOR)」を運用しています。

今回はそれに加えて、「なるほど!」「そういう視点があったか!」というアハ体験を提供してくれた同僚に送る特別版「アハWSD」を約2ヶ月間導入しました。


WSDについて詳細はこちらのブログをご覧ください。


この「アハWSD」の実装を短期間で実現してくださったのが、開発を担当したryuさんです。勉強会のスケジュールが急遽前倒しになった中でも、完璧に仕上げていただきました。

ryuさん(画像は弊社HPより引用)

ryuさんのおかげで、勉強会の学びを日常に広げる仕組みが実現できました。本当にありがとうございました!

勉強会全体を振り返って

この勉強会を通じて、私自身が一番学んだことは何かと聞かれたら、「適切なツールと仲間がいれば、新しいことにチャレンジできる」ということだと思います。

エンジニアの皆さんは、マーケティングの専門家ではありません。でも、基礎知識とAIという武器、そしてチームで議論する環境があれば、ここまでのクオリティの戦略を立てることができます。

武井さんからも、勉強会の総括をいただきました。

今回の勉強会は、WESEEKにとって一つの挑戦だった。「エンジニアやデザイナーがマーケティングの視点を持つ」という文化を作れるかどうか。費やした時間も社員の負担も相当大きかったけど、それでも十分すぎるリターンがあったと思う。ただ、これで終わりではない。むしろWESEEKメンバーのマーケ意識向上の試みは始まったばかりだからね。

はい。マーケティングは継続的に学んで実践していくものですよね。今回の勉強会はあくまでスタート地点で、ここからが本当の挑戦だと思います。

でも、この勉強会を通して「マーケティングって意外とできるかも」「AIを使えば自分にもできそう」と感じるきっかけを提供できたとしたら、この取り組みは成功と言えるんじゃないかなと思います。

最後に、この勉強会に参加してくださったエンジニアの皆さん、サポートしてくださった武井さん、太田さん、星くん、そしてryuさんをはじめとする全ての方々に、改めて感謝申し上げます。インターン生として初めての大きな企画で至らない点も多々あったと思いますが、皆さんの協力のおかげで形にすることができました。本当にありがとうございました!

マーケティング視点を持った「シン・エンジニア」が、これからどのように進化していくのか。その活躍にこれからも目が離せません!!